「鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人」@ 東京オペラシティアートギャラリー

Mandala Design です。

 
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「鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人」
@ 東京オペラシティアートギャラリー
弐代目・青い日記帳さんから画像転載)

 

美しい人が形づくる、美しい世界観。
さまざまな表現手法の鴻池作品があり、そのどれもが同時代的だと思った。
以下、覚え書きです。

 

 

20090912_1404451鴻池朋子氏
弐代目・青い日記帳より画像転載)

 

 

今回の個展のコンセプトは、
「想像力という人間の根源的な力で地球の中心まで旅をする」
というもの。

 

人間の心をひとつの惑星ととらえて、その深い闇の中へ旅をするという物語じたての展示になっている。
面白いな。

 

ギャラリーの中で観客は作品を鑑賞しながら、地球の内部を旅し、同時に人間の精神の奥底へと潜っていく。
わたしたちはそのとき、「インタートラベラー」(作家造語)になるのだと言う。

 

ご一緒したのは例によってT氏。
入場して早々に、お腹の異変を訴えた。
係の人にお願いし、入場ゲートを逆走・厠への直行便。
はらいたトラベラーT氏を見送りつつ、作品の前へ進む。

 

<地球断面図―全面凍結編>

 

これは冒頭のちらしのデザインに使われている。
地球にも見えるし、受精卵のようにも見える。

 

<隠れマウンテン―襖絵>

 

山腹に開くつぶらなひとみ。
インドやネパールのブッダ・アイっぽい印象。

 

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この襖が、左右に開け放たれて、入り口になっていた。
つまり右目が右側に左目が左側に。
ここが内部に潜っていく旅の始まり。

 

自分で開けて入っていけるのだったら、さらに臨場感があっただろうな。
テーマパークのアトラクションみたいだ。
まあ、作品にお手を触れてしまうから無理な話。

 

<「みみお」原画>

 

ビデオインスタレーションは見たことがあるが、原画は初めて見た。
叙情的で叙事的。

 

20090912_1404455《mimio―Odyssey》2005
東京オペラシティアートギャラリー公式サイトより転載 以下同じ

 

 

かがんでくぐったカーテンの向こうはどの壁も赤い部屋だった。
大きな絵画が4点。
中央にゆりの花が生けられており、強い香が漂う。生々しさを感じた。

 

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そのあとのスペースの襖絵が、迫力があってかっこよかった。

 

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しかし、どんなに野性的でどろどろしたものをモチーフに描いた
としても、この人の作品は汚くならないような気がする。
どれもさらりとした印象が強い。良くも悪くも。
日本画出身ということにも関係あるのかな。

 

 

20090912_1404471<シラ―谷の者 野の者>

 

 


そしてついに地球の、我々の、最深部に至った。
ミラーボールみたいな赤ん坊の頭部がゆっくりと回転している。
『2001年宇宙の旅』のスターチャイルドみたいな発想だと思った。

 

20090912_1404474<赤ん坊>

 

20090912_1404475<後の部屋>

 

狼の本物の毛皮が沢山吊るされていた。
その中をくぐっていかないと次に進めない。
えーー頭に触れたらどうしよう。
ちょっと気味が悪いな、と思って躊躇していると、隣のT氏は、すごい!すごい!と感動している。
お腹の不調でロー・テンションだった入場直後とは打って変わり、
「これは、今まで観てきた中で一番いい展覧会かも!」
と、いきなりの高得点。

 

 

帰りにミュージアムショップに寄ってみた。
ちょっと、とT氏が呼ぶ。
見ると、手にみみおのぬいぐるみを持っている。

 

「いくらだと思う」
20センチくらいの大きさだがきっと非常にお高いのだろう。
8000円位?
とちょい高めに答えると、値札を見せた。
げげー12,600円!
うーーん。

 

楽しかったです。

 

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lammfromm The Concept Store 公式サイト

 

 

鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人
KONOIKE Tomoko: Inter-Traveller
期間:2009年7月18日[土]─ 9月27日[日]
会場:東京オペラシティアートギャラリー(3Fギャラリー1・2)

 

 


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