唐草倶楽部は 5月15日-16日に『 KARAKUSA Cafe 2010 』を開催いたしました。

村岡由梨

〈 2012 作品展によせて 〉

 〜 作品つくりの始まりの 心揺さぶるものと
  その30年の移り変わり・・・今展に寄せて 〜

 情念・愛・想念・心情・魂・内なる神・1なるもの(The One)____
目に見えないもの、内面の感情、葛藤、思考を超え直接焼き付けられた"エネルギー"を、純粋に『かたち』に置き換えて、表現するという試みを続けてきました。
 ところがあるとき、その目に見えないものを包み込んでいる肉体が有限であることに気づきました。その時に感じた、限りあるものへの愛着、置き去りにしてゆくものへのいとおしさを、肉体という形態を通して表現する方向に変わってきました。それは自分の内的な欲求や、身体感覚の中から表現するスタイルで、自分の肉体、または肉体の一部が強いリアリティの拠り所になっています。
 近年、肉体の一部(女性の唇や足、お尻など)、または女性そのものをデフォルメした作品づくりに取り組み、生殖や繁栄でも、エロティシズムでも、まして女性の美でもない、生命の愉悦と "エネルギー"そのもの、その肉体の中にあるであろう目に見えない "もの"(私が探求してやまない内なる神)を、それを包み込む 『肉体というかたち』で表現しようとしています。同時に、消失を抱えた肉体への悲哀を、ほんの少しの皮肉をスパイスに(『顰蹙を買う』といういたずらっぽい表現が好きです)観る者の微笑や苦笑を誘い、いずれ終わりが訪れるものの尊さを、謳歌できればと思っています。
一緒に楽しみましょう。そしてほんの少し幸せになって下さい。
                                                                             村岡 由梨
                                                                                            
**************************************************************************************


陶芸家の村岡由梨氏は、心の中に渦巻く様々な想いを、純粋に
感じたままの"かたち"に置き換えていく作業をくりかえし続けている、
という。 

bd9863f0ae8dcb862922616bf77bd2f1.jpg

ときにユーモラス、ときにエロティックなイメージを見せる村岡氏の
オブジェは、美しいと同時に見るもののこころの奥深くに迫ってくる
強さを持っている。

スピリチュアル哲学・西洋占星術・気学・経済経営学などに造詣が深い。


1953年 東京都に生まれる。
   74年 文化服装学院デザイン専攻科ファッションデザイン課程卒業。
   77年 愛知県瀬戸市にて作陶活動をはじめる。
   82年 「工房む」を設立。
   90年 八ケ岳山麓大泉村に工房を移転。
   84年以降、各地ギャラリーにおいて作品展を開催。

陶磁器デザインコンペティション、日本クラフト展、朝日現代クラフト展、中日国際陶芸展、朝日陶芸展、陶芸ビエンナーレ入選